ある日、高校生の僕は病院で1冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それはクラスメイトである山内桜良が綴った秘密の日記帳だった。そこには彼女の余命が膵臓がんでもういくばくもないと書かれていて-。読後、きっとこのタイトルに涙する。「名前のない僕」と「日常のない彼女」が織りなす、大ベストセラーの青春小説!とあった。本の裏にあるキャッチコピー。こういう彼女が不治の病というシチュエーションの青春小説は数多くあるがこれもその一つだが、タイトルが凄すぎる。そしてやはり一寸泣かせる。
そういえば、最近の流行り本や映画の題名の付け方は一昔前とは全く違ってしまっている。
「この世にたやすい仕事はない」
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」
「桐島、部活やめるってよ」
思いつくだけでも色々ありますねー
2018年7月30日月曜日
2018年7月20日金曜日
映画:「万引き家族」
2018年・第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で最高賞のパルムドールを受賞した作品。おばあさんと夫婦、娘一人、男の子一人の5人家族が通りがかりに助けたDVで傷ついた女の子を自分の子供として育て始める。家計はおばあさんの年金と自分たちのアルバイトのような仕事が収入源。当然足りない不足分を主人公の男は万引きで補う。男の子に万引きの手伝いをさせ、拾った女の子にも教える。やがてこの家族が全員血がつながっていないことが明らかになっていく。家族ぐるみで軽犯罪を重ねる一家にはしかし、笑いが絶えない。人と人とのつながりを描き、いつも笑いが絶えない日々を送っている。そして、ある事件をきっかけにそれぞれが抱える秘密や願いが明らかになっていく。息子とともに万引きを繰り返す父親・治にリリー・フランキー、初枝役に樹木希林が上手い。是枝裕和監督の作品では「そして父になる」も忘れられない映画だった。久しぶりに良い映画を見たような気がした。そして淀川長治だったら映画が終わったあとどんな感想を述べただろうと久し振りに彼の顔を思い浮かべた。「やっぱり映画っていいですね。サヨナラさよならサヨナラ。」と締めくくるのでしょうね。
2018年7月19日木曜日
野上 卓:歌集「レプリカの鯨」
サラリーマン川柳かとも思う。似たような時代を生きてきた自分にもぐっとくるような歌の数々。印象に残ったもののいくつかを紹介する。
○ 職退けるのちも仕事の夢を見るたぶん死ぬまで折々に見ん
○ 平穏に退きたる過ぎ行きに解雇を告げし痛みもありぬ
○ 気に入らぬ上司はいづれ去りゆくと言いし吾らも退職をせり
○ わたくしが生まれた年がはやばやと歴史のように語られている
○ 寝ていれば指でつつかれ起こされた生きているのか確かめられた
○ 「この国」と吾が祖国さえ呼び棄つる気分になりしこの頃のこと
○ 交番にぼんやり巡査が立っている古びた街に住みたいと思う
○ 加齢によるものであるから心配するなというがそれが問題
○ わたくしの財布の厚み病院の診察券のたまりたるゆえ
○ 年寄りが偉かったのは昔ですだって私が年寄りですし
○ 階段の手すりを今は頼りにす新築時には笑いしものを
○ 歳々に花を見るため生きているような気になる三月半ば
○ 中空にとどまるよう蜂が滑るように消えて真白き夏道つづく
○ 七月の豪雨やまぬこの三日ゴーヤはすでに深く根を張る
このたびの西日本豪雨の災害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。
○ 職退けるのちも仕事の夢を見るたぶん死ぬまで折々に見ん
○ 平穏に退きたる過ぎ行きに解雇を告げし痛みもありぬ
○ 気に入らぬ上司はいづれ去りゆくと言いし吾らも退職をせり
○ わたくしが生まれた年がはやばやと歴史のように語られている
○ 寝ていれば指でつつかれ起こされた生きているのか確かめられた
○ 「この国」と吾が祖国さえ呼び棄つる気分になりしこの頃のこと
○ 交番にぼんやり巡査が立っている古びた街に住みたいと思う
○ 加齢によるものであるから心配するなというがそれが問題
○ わたくしの財布の厚み病院の診察券のたまりたるゆえ
○ 年寄りが偉かったのは昔ですだって私が年寄りですし
○ 階段の手すりを今は頼りにす新築時には笑いしものを
○ 歳々に花を見るため生きているような気になる三月半ば
○ 中空にとどまるよう蜂が滑るように消えて真白き夏道つづく
○ 七月の豪雨やまぬこの三日ゴーヤはすでに深く根を張る
このたびの西日本豪雨の災害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。
2018年7月14日土曜日
椎間板ヘルニア
ここへきて生活パターンが乱れている。椎間板ヘルニアによる左足しびれ痛だ。思い起こせば今から15,6年前右足が痺れ、睡眠中に鈍痛で目が覚め眠れなくなるという症状が出た。そのときにも診断されたのが椎間板ヘルニアだった。その時の記憶では、街の整形外科のリハビリ体操と水中ウォーキングで治した。治したと言うより「直った」という印象が強い。今回はそうは行かない。思い起こしてそれらをやってみるが一向に改善の兆しが見えない。それどころか徐々に悪化しているような気がする。病院やリハビリを始めているが目下のところはかばかしくない。困ったことだ。ネットや腰痛体操の本などを読み漁って色々試している。ブログどころではなかった。
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吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」
横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...
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2017年の夏、水をやり過ぎたのかみるみる萎れていった鉢。どうなることかと元気そうな株以外は全部、泣く泣く外して生き永らえた。相模原に引っ越して気長に付き合ってきた甲斐があって去年夏ごろから生気が帰ってきていた。水溶液の肥料などをやりながら時に日光浴させてきたら3年振りに開花した...
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この日もぽかぽか陽気の暖かな日だった。 多摩モノレールで立川の1つ手前、「柴崎体育館前」で下車して高架から下に降りると、もうそこが根川親水公園だった。湧水が作り出す小川を整備して遊歩道に仕立ててくれている。絶好のスケッチポイントだった。驚いたことに大通りのすぐ脇の高木にアオサギ...
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NHKカルチャーセンター主催の水彩画講座(2時間*3回)の第一回を受講しました。これまで無料のZOOMアプリを使って家族やNPOのリモート会議を何回か体験してきました。また、NPOで開催しているシルバーの人たちに向けてZOOM会議の受講の仕方、主催の仕方などの講義をしてきました...