2021年1月31日日曜日

坂木 司:「切れない糸」

 八王子時代のご近所さん、童話作家のYさんがブログで紹介していた本。小さいころ住んでいた街、商店街でもない住宅街の中に1軒、クリーニング店があった。そんな街中のクリーニング店が姿を消していったのは何時ごろからだったのだろうか?気が付いてみると今や、チェーン店しか見かけない存在になってしまっている商店街の中のクリーニング店「あらいクリーニング」がこの物語の舞台だ。書かれている商店街の風景は何故だか、遠い昭和の故郷金沢の街並みを思い出させる。東京でしいて類似なところといえば、谷中の商店街などが思い出される。主人公は大学卒業間近だが自営のクリーニング業を手伝いながら将来への不安を噛みしめながら過ごしていた。そんな中突然の病で父親があっという間に旅立つ。その先をどうしたら良いのか!父なき後のあらいクリーニング店の再建の日々を四季に書き分けて二代目店主としてお客様との営業を通して地域とのつながりを確かなものにしていく。大学からの友人、沢田君が重要な役回りをしてくれる。クリーニングにまつわる些細な出来事からそのお客の抱えている難問の所在を突き止め、解決しながら地域とのつながりを確かのものにしていく。最後の第4章でしんみりとした話で締めくくる。

こういう小説のスタイルには以前読んだ三上 延の「鎌倉ビブリア古書堂の事件手帖」や北村薫の小説と似た手法のような気もするが。

2021年1月29日金曜日

3年振り:冬、華やぐ部屋

2017年の夏、水をやり過ぎたのかみるみる萎れていった鉢。どうなることかと元気そうな株以外は全部、泣く泣く外して生き永らえた。相模原に引っ越して気長に付き合ってきた甲斐があって去年夏ごろから生気が帰ってきていた。水溶液の肥料などをやりながら時に日光浴させてきたら3年振りに開花した。まだ茎は弱弱しいのに健気なことだと褒めてやりたい。



花の名前は当然のように思い出せない。スマホのGoogleLenzでお尋ねすると、「シュルンベルゲラ・トルンカタ」とか「シャコバサボテン」と出てくる。南米に生育するサボテンの一種らしい。カニバサボテンというのもありその違いはどうやら茎の形状が尖っているか、丸みを帯びているかの差であり、花期はシャコバサボテンが11~12月、カニバシャボテンが1~3月とあった。「カニバサボテン・チタホワイト」ということにしておこう。
柔らかい色合いが好ましい。


2021年1月21日木曜日

マイブーム:CNNテレビ

住まいのデジタル環境が一新して今日ようやく工事が完了した、今日は屋内の仮配線をモールで隠し、ブラブラ状態がきちんとモールで隠してもらい目立たなくなった。インターネット速度がこれまでのSoftbank Airの962MBPS(公称)に比べると1/3ほどに低下するがこれは実測してみないと通常は分からない速さだ。 固定電話はサービス対象だが利用していない。テレビはCATVが利用できるようになった点が異なる。ほとんど利用しないと思っていたCATVが目下のマイブームだ。なにせ、巣ごもり状態の昨今、昨日からCNNJapanの放送をBGM代わりに流している。今日は新大統領の就任式一色だ。17本の大統領令に署名とか、これは多い方なのかどうなのか、脱トランプ政策が中心という。閣僚の承認もまだほとんど得られていない中、前大統領の弾劾裁判を切り札に議会対策やトランプの扇動で世に躍り出たアメリカの底辺に潜んでいた邪悪なものとの闘いもこれから始め、勝ちきらなければならない。



2021年1月15日金曜日

ブレイディみかこ:「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

一時、評判になっていた本だったがブームだっただけなのか、コロナ騒動に打ち負けたのか、すっかりご無沙汰になってしまったタイトルだ。

凄くできた息子とのササイナやり取り、学校での授業や交友関係の出来事を取り上げて現代イギリスの抱えている社会的な課題や問題点を差し出してくれる。どこかで読んだ本と似た切り口のように思うがその本の具体名が出てこない。時代は2014~2018年ごろ、ロンドンから少し離れたブライトンという町。家族が日本人(妻)とアイルランド人(夫)とその間のにできた息子。文字通り多様性に満ちた家族。中学時代の性教育でIVFとか道徳?の時間にFGM、LGBTQとか(自分にとっては初めて聞く言葉ばかり)が中学生の息子との会話を通して解説されていてイギリスの教育のリアルな深さに感心してしまった。

この本のタイトルは息子のノートに書き散らされていた落書きから採ったようだ。本書の最終章では息子も成長してきて「ぼくはイエローでホワイトでちょっとグリーン」な気分と表現し、この最後の色はこれからも変わっていくのだろうと締めくくっていた。

2021年1月14日木曜日

ダイアモンド富士(1月10日)

 数日前から住まいのテレビ受信環境が共同アンテナからケーブルテレビに替り切替工事が続き落ち着かない。共同アンテナは老朽化が進み、今は使えるが今後のメンテナンスはしないとのこと、4Kテレビも見られないし(尤も4Kテレビに切り替える計画は目下はないが去年のようにいつ壊れるか分からない、このテレビも2008年ころだったか)配線工事をしてもらった。

落ち着かない中で、先日テニスクラブの友から聞かれた「ダイアモンド富士を八王子の集いの森公園でいつ見られるのでしょう?」との問いにカシミール3Dのソフトを立ち上げた。何年振りのことだろう。当然バージョンアップから始めて「さて、ダイアモンド富士の日にちをどうやって探したんだか?」当然思い出せない。業者さんから時々、質問があるので中断しながら必死にアレコレやっていると段々分かってきた。集いの森にビューポイントを設定してみると何と、今日がダイアモンド富士の日ではないか!立ち位置によっては1日程度はずれても大丈夫だが。

早速、その情報を伝えた。となれば自分も1枚ぐらいは取って置こうかと自分は八王子のRooms屋上に向かった。ここは屋上駐車場で180度丹沢から奥多摩、秩父までの大パノラマが望める秘蔵のビューポイントだ。何よりもこの厳寒の中、車の中で時間調整ができるのが嬉しい。16時ちょっと前に到着すると2,3人カメラを持った人がやはりいる。フィルターを持ってくるのを忘れていた。久し振りで忘れていた。上手く撮れないかもしれない。

やはり山頂に隠れる前は眩しくてとても撮れない。ようやく撮れた写真。


友人は上手く見られたか、撮れたか?と電話してみると何だか分からないことを言っている。まぁ、見られたらしいと分かって一安心。

ところが今日ブログを見るとどうやら撮影は成功しなかったらしい。ほんの2~3分のドラマなのだから・・・。



2021年1月9日土曜日

ZOOMによるリモート講習会(1月8日)

 NHKカルチャーセンター主催の水彩画講座(2時間*3回)の第一回を受講しました。これまで無料のZOOMアプリを使って家族やNPOのリモート会議を何回か体験してきました。また、NPOで開催しているシルバーの人たちに向けてZOOM会議の受講の仕方、主催の仕方などの講義をしてきましたが、今回有料のZOOM講座を受講してみての感想を記録しておきたい。ZOOMproは時間制限や人数制限もなく流石に色々配慮されているようだ。
(1)受講者の顔は完全にシャットアウトされていて、画面は100%会議の教材などを表示していて理解しやすい。講師の顔は最初と最後のチャットへの回答の時だけ出ていた。講義中は一切講師の顔を出なかった。
(2)カメラも2台以上設定されているようで水彩画をデモンストレーションする際は真上からのカメラで描いていく様を見やすくしてくれていた。
(3)参加者のオーディオも初めからシャットアウトされており質疑はすべてチャットでのやり取りになっていた。そのチャットもチャットで入れた質問は他の参加者には見えず、チャットの回答も他の人には閲覧不可に設定されていた。この評価は良し悪しのような気もした。
(4)講義の録音録画は禁止されていてそれに代わるものとして見逃し配信が用意されていた。1週間の間は何度でも閲覧できるようだ。このストリーミングは来週からの配信なのでまだその体験はできていない。
(5)講義の途中で節目の画面をスクリーンショットで撮ってみたが、撮影はできないようでフォルダーには保存されていなかった。これは再度試してみたい。

NPOでの今後のリモート会議の可能性については無料版でも上記のようなことができるものなのか検証が必要だと感じた。水彩画の技法を学べた上に実際にリモート講座を実施しようとする場合に考慮しなくてはならないことを気付かせてくれる有益な体験だった。

笠井一男の水彩技法デモンストレーション講座




2021年1月1日金曜日

ゆく年くる年

 2020年12月30日はこの年最後の満月が日没間もなく東の空に昇ってきた。この12月の満月のことをCold moonというらしい。本ブログで何度か取り上げたアメリカのネイティブインディアンの月の呼び方だ。もう一度おさらいしておくと

1月: Wolf Moon/Old Moon(狼が空腹で遠吠えをする頃)
2月: Snow Moon/Hunger Moon(狩猟が困難になる頃)
3月: Worm Moon/Sap Moon(土から虫が顔を出す頃/メープル樹液が出る頃)
4月: Pink Moon(フロックス/Phlox というピンクの花が咲く頃)
5月: Flower Moon(花が咲く頃)
6月: Strawberry Moon(イチゴが熟す頃)
7月: Buck Moon(雄ジカの新しい枝角が出てくる頃)
8月: Sturgeon Moon(チョウザメが成熟し、漁を始める頃)
9月: Corn Moon(とうもろこしを採取する頃)
10月: Harvest Moon(収穫の頃)/Hunter’s Moon(狩猟を始める頃)
11月: Beaver Moon(毛皮にするビーバーを捕獲するための罠を仕掛ける頃)
12月: Cold Moon(冬の寒さが強まり、夜が長くなる頃)

Cold Moonが12月30日だったのだ。


そして、今朝は早起きして元旦の日の出を撮影した。早起きといっても日の出は6:45だったから全然早起きとは言えない。通常の日なら寒いので床から出たくないだけの時刻だ。東よりずいぶん南寄りから日が昇る。


撮影を終えてテレビをつけると本栖湖あたりからのダイヤモンド富士を実況中継していた。その後にビデオを流しておみくじを引くところでパチリ。タイミングで吉、中吉、大吉の3択でどれかが写るのだが、最初はご覧の通り吉、2度目は中吉、3度目でようやく大吉だった。


「今年こそ、新コロナ退散」という情けない願い事だが叶いますように!これがないと何事も始まらない。

吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」

 横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...