2019年1月7日月曜日

2019年の幕開け

年末から新年にかけて「平成30年」を振り返ったり、どう評価するかといった話題が新聞テレビで大きく取り上げられている。今年は元号も変わるとのこと。以前からそう思っているのだがわれわれ日本人は西暦と和暦の2本立てで生活している。お役所の書類はすべて西暦に1本化すると決まったはずだったが相変わらずどっちつかずのまま。保守派の抵抗は大きいのだろう。和暦は確かに天皇とリンクしている訳で天皇制と不可欠なのだろうが、これは結構負担が大きいだけでなく、歴史の連続性を分断してしまい一貫して物事を論じることを大きく妨げている。日本人の忘れっぽさを嘆く論調があるが、そうさせている一因がこの和暦にあるのは間違いない。
例えば「明暦の大火」という。いったい何時あったのか?何年前?と聞かれて即答できる人は何人いることだろう。因みに受験用には語呂合わせが必須。「疲労・御難(1657年)の明暦の大火」とか、「イチローとコナン消します 明暦の大火」などと覚えるのだそうだ。日常生活をスムーズに過ごすためにも明治、大正、昭和、平成と西暦の換算式がないと大変に不便なのだ。そしてその変換は大概の場合、西暦に置き換えて今から何年前の出来事かを認識する作業に使われる。
1867+M、1911+T、1925+S、1988+Hという4つの換算式が必須だったが、今度はその換算式が更に1つ増えるのだ。友人の一人で、すべてを昭和に置き換えて計算している人がいる。2019年は昭和94年といった具合だ。昭和より前のことは皆、昔のことで終わらせているのだから恐ろしい。1本の時間軸の上にあらゆる事象を並べて認識していかないと物事の流れを見失ってしまうと思う。和暦はリセットスタートを人の脳に命令しているように思う。便利かもしれないがそれはひょっとして時に為政者にとっても都合の良いルールなのではあるまいか?1945年(昭和20年)太平洋戦争敗戦、1951年(昭和26年)サンフランシスコ条約調印(日本の独立)、1995年(平成7年)阪神淡路大地震、2011年(平成13年)東日本大震災で良いのだ。カッコで示した昭和、平成で語るとその流れが滞ることは一目瞭然ではないだろうか?

2018年12月31日月曜日

天童荒太:「永遠の仔」(上)

1999年に発表され、2000年には早くもテレビ放映されて一躍有名になった小説だったが、この年末に手に取った。前から気にはなっていたのだが児童虐待を扱っているという情報と長編なのを知っていたので敬遠してきたのだが。
小学生時代に愛媛にある子供のための精神病棟に入院治療を受けた3人が17年後の川崎で再会する。3人の抱える秘密を引きずって運命的に再開するのは運命に引き寄せられたかのようで新たな事件へと導かれて行ってしまう。優希と梁平と笙一郎この3人がどんな虐待を受けたのか、入院時代の1979年と現在、1997年を行き来しながらベールをはがすように少しずつ明らかになってくるのだが上巻の終わりは優希の家が炎に包まれて終わる。

2018年12月30日日曜日

レンタルサーバーの見直し

定年を迎え、その後の人生をどう過ごそうかと思い悩みながら、「ホームページの企画、設計、管理を第2の仕事にしよう」と決意してレンタルサーバー会社と契約し、独自ドメインを取得したのが1999年の暮れだった。あれから19年が過ぎようとしているのだ。もうすぐやってくる傘寿を前にして細々と続けてきたブログを継続するか、それとも一旦区切りをつけるか思い悩みながらの数か月。今一すっきりと割り切りができない自分に苛立つ。
その時選んだレンタルサーバーの会社は現在もトップランナーとして頑張っていて、この会社を選んだ自分の選択眼を褒めたくもある。ドメインもやはり少しお値段は高いが会社らしい"co.jp"を選んで付けた”kisas.co.jp"に愛着がある。しかし、現状で断捨離的観点に立つと、ドメインの維持費、サーバーのレンタル費も馬鹿にならない、ということが気になり始めた。大して価値のない駄文のために年に1万円を超える出費は年金生活者にとっては如何なものだろうか?しかしこのドメインを放棄すると長年使ってきたメールアドレスも使えなくなる。代替えのメールアドレスとして何を使うか?GメールやYahooメールを使うか?悩む種は尽きない。いづれにしてもメールアドレスの変更は今や大変な煩わしさを伴うということに改めて驚かされる。銀行から始まってクレジット、ネット通販、・・・登録済みの対象は大小合わせて50件をはるかに超えそうだ。IT社会に生きる者の宿命といえばそれまでではあるが。次善の策として、(1)安価なレンタルサーバーに引っ越す、(2)新たに安価な独自ドメインを取得する、(3)新たなメールアドレスに切り換えるという3段階を視野に入れることで行動に移そうというのが目下の結論だ。最低でも(1)はやろう、と思う。これだけでも出費は半分に減らすことができそうだ。(2)、(3)はセットで考えることになる。新年早々の初仕事になりそうだ。

藤岡陽子:「手のひらの音符」

この手の青春小説はどれも読後感が良い。今回の物語はアラフォーティの服飾デザイナー水樹が主人公。この仕事に就くきっかけを与えてくれた高校の担任が病に冒され入院しているという連絡を貰った水樹は、見舞いの為に久しぶりに帰郷する。同級生との再会で、当時の懐かしい記憶が甦り、勇気付けられ現路線から撤退の方針を聞かされて行き詰まっていた水樹が何とか再び頑張る力を得て行く。これは大きな流れであってお話の主流は小学生時代から高校生時代にある。主人公は洋裁が好きな女の子、親の無理を分かっていながらデザインを学ぶ専門学校に進み、20数年東京で過ごした。小学生時代から同じ公営住宅に住まい、分け隔てなく過ごした幼なじみの三兄弟との関わりが読み処。とりわけもう一つの家族の次男の信也とは同級生で秘かに心を寄せていた。20数年後、競輪選手として活躍している彼との再会でハッピーエンドになっていく。偏見、貧困、いじめ、死、恋愛...多くの要素がちりばめられている。貧しい子供時代の部分は、背景も時代も違うけれど、子供ながらに、必死に生きていた自分の昔を思い出させる。ドレミの唄がこれまた最高。ドはどりょくのド レはれんしゅうのレ ミはみずきのミ ファはファイトのファ 家が貧しく辛い生活でも努力していればきっと道は拓ける。まわり道してもいい。自分の本当にやりたいことを見つけたら、それに向かって努力をする。水樹と憲吾は京都の地場産業を支える事を。悠人は研究者として。正浩にいちゃんは空から見守ってくれている。

2018年11月29日木曜日

秦 建日子:「And so this is Xmas」

初めての作家作品。爆弾テロが渋谷ハチ公前で起きるのか?想像を超えるシチュエーション設定で理由不明の無差別殺りくにつながる爆発物への仕掛けがあちこちに張り巡らされていて、シナリオ通りに事件が発生していく。総理大臣とのテレビ対談を要求して、犯人が離そうとしたことが何なのか?戦争を行える国にしたいという首相の願望に対する見せしめなのか?抗議なのか?Oさんご推奨のエンターテインメント小説。

2018年11月15日木曜日

カズオ・イシグロ:「わたしたちが孤児だったころ」

[イシグロ氏の小説としては2冊目。舞台は1900年代初頭の上海。第1次大戦から第2次大戦を経て戦後に至る大河小説のような時間軸の中で、幼時を上海で過ごした主人公クリストファー・バンクスは記憶力と判断力に優れた英国人の子供だった。親は交易会社に努めていた関係で、上海駐在だった。この時代、交易品の中ではアヘンが公ではないにせよ最大の収益品だったようだ。強い正義感と倫理観を持った母はそのアヘンをやめさせる運動を熱心に展開して、会社方針とは相容れない活動をしていた。そうした中で両親が相次いで失踪し、主人公はイギリスに返される。バンクスはこの時代の流行の職業であった探偵を仕事としてはじめそれなりの名声を博する。そしてかねてから心に秘めていた両親の探索、救出のために懐かしの上海に渡る。折からに日中戦争で混沌としていた戦乱の中様々な人に出会いながら確信に迫っていく。しかし、そこで知ったことは・・・、とこの当りでストーリー紹介は止めておくのがエチケットでしょうね。前に読んだ「日の名残り」とはかなり趣の違う小説を書いているのだ。

2018年10月29日月曜日

復活

年明けからだんだん悪化していた腰痛がここへきてようやく収まってきた。「椎間板ヘルニアに脊柱管狭窄もありますねー」、腰痛を訴え、なんとか手術をしてでも解放されたいと願って整形外科医を訪ねた時の答え。日常生活はもとよりなんとかもう少しの間テニスも楽しみたいのだと訴えると、その医者は「であれば、手術はやめたほうが良いでしょう、ペインクリニックとリハビリで克服するのが良いでしょう」、「手術しても完治はしません。再発のリスク、後遺症のリスク、色々リスクの可能性がありますよ」だった。
お灸、鍼、理学療養師による電気、牽引、マッサージ、色々やって何が功を奏したのかわからないがこの処、簡単なストレッチで痛みがすうっと消えて普通に動けるようになる。そしてしばらく遠ざかっていたスケッチにも復活できた。
10月18日、好天のもと横浜の山手、テニス発祥の地、テニス博物館に行った。

吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」

 横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...