2020年9月20日日曜日

COVID-19(7):ワクチンより治療法(治療薬)

 昨日からお彼岸を含めた4連休。5月のゴールデンウィークに対応して「シルバーウィーク」とも称されている。世の中、Go to キャンペーンに来月から東京も含まれるとあって何となく一段落モードになっているようだ。かく言う我が家にも久し振りに息子たちが様子見方々、お墓参り方々、集まってきた。そんなに暑くはなかったが南北の窓を開けてエアコンを付けて、簡単な昼食を共にした。息子たちはそれぞれ車での往復だったが、その道中の道路の混雑は久し振りのものだったようで渋滞に巻き込まれもしたようだ。お墓までの国道16号線の混雑も相当なものだった。このお出掛けモードの結果、COVID-19の感染者数はどういう経過を辿るのだろうか?1~2週間後の結果が気になるところだ。それがちょうどGo to キャンペーンの開始時期と重なることもあり、重要な分岐点となるかもしれない。この夏の新コロナウィルス流行は世の中では第2波と言われているが自分の中では第1波の延長線上にある真のピークであって、第2波がもしあるとすれば涼しくなった秋から冬にかけての時期に流行が再発したときのものと思う。今年4月5月の流行は十分なPCR検査もできず、潜在患者を発見しないまま、国民の自粛行動のみに頼った結果、見かけ上減少し、沈静化したように見えただけのものであったという私の読み解きを変えるような施策も因果関係も見られなかったからだ。

ただ、手洗い、マスク、消毒、ソーシャル・ディスタンシングなどの「新しい生活様式」を実践することで、社会全体として感染者数を抑えることができているのは間違いない。そしてこの半年の間に国民の間に芽生えた最大の不幸は「感染者差別」視を芽生えさせたことだ。「感染するのはこの新しい生活様式を守らなかった不届き者」という烙印を押したがる風潮を生んだことだ。「ひょっとしてあなたもPCR陽性の保菌者?」とお互いを見る目が変わってしまったのだ。この国民相互の不信感を加速させた最大の要因は「PCR検査体制の不備」、これを招いた行政の怠慢、政府の指導力不足ではないだろうか?本当の第2波が来た時この相互不信を解消できるような「PCR検査体制」が準備できているのだろうか?どんなに用心していても感染するときは感染してしまうのがこの感染症の特徴らしい。だとすれば、予防ワクチンンの開発も大切だが、より重要なのは万一感染したとしても症状に応じた治療方針治療薬が用意されていればもっと安心して社会生活を続けられる。この安心感が結果的に経済再建に直結する対策になりうるのだと思う。ワクチンの開発は勿論理想だがこれはどんな人にも副作用なく有効性が確認できるまで時間が掛かることも明らかになってきているので、そこに期待するのはそれこそ第2フェーズとするべきなのだろう。「自衛警察」の横行などを許してはならない。第2波に備える適切な新コロナウィルス禍対策(検査体制、治療体制の整備)、適切な情報の発信、一言でいえばこれを生み出す政府の指導力こそ今求められている、と思う。

2020年9月13日日曜日

大坂なおみ:全米オープンテニスに2度目の優勝、おめでとう

 今朝は自然と朝5時に目が覚めた。言わずと知れた全米オープンテニス女子シングルス決勝の開始時刻だからだった。WOWWOWは契約していないのでテレビで見ることはできないのでネットでリアルタイムで伝えてくれるスコアの推移に一喜一憂する展開でしか情報を得る手段がない。sportnaviで逐一、スコア展開を教えてくれるのだ。1セット目、いきなり大阪のサービスゲームをブレークされてあっという間に1-6でセットオーバー。とんでもない展開になりそうだと思ったが、相手のアザレンカも準決勝ではセリーナ・ウイリアムスに第1セット、おなじ1-6で失ってから2セット連取して勝ち上がってきたことを思い出す。結果は正にその通りの展開になった。喝采!!今年の大坂なおみには勝たねばならない使命感のようなものがあったように思える。1つには、BLM運動への共感と自分がアスリートとしてできるやり方を決めて出場したという使命感が支えてくれたこと。もう一つは敬愛して止まなかったプロバスケットのコービイ・ブライアント選手の死(今年1月ヘリコプター事故)に対するはなむけとして自分の成長した姿を見せたかったという使命感だ。単に勝ちたいというだけではなかったSomethingが彼女を揺り動かしていたのではないだろうか?しかし、それも実力がなければできることではない。新しいコーチ陣が彼女の体を鍛えなおしたようだ。今年の1~2月、まだ不安定だった彼女がこの新コロナウィルス禍の休みの期間にキッチリ心身ともにリフレッシュして再登場したのだから精神面、技術面ともにリニューアルされた大坂なおみに弱点はなかったのだ。全く比較するのも変だが将棋の藤井聡太八段がやはり新コロナウィルス禍で蘇って2冠達成したという話を思い出した。

2020年9月8日火曜日

三浦しをん:「光」

 三浦しをんの作風、イメージを根底から覆すようなミステリアスで屈折した登場人物たち。冒頭の巨大津波が小さな島を飲み込んで僅かに生き残った5人。思わず2011年後の作品かと思ったら2006~7年ごろの作品と知り、どうしてこんな作品を書く気になったのかとそれもミステリアス。

2020年8月30日日曜日

テレビドラマ:「ダウントン・アビー」

イギリスで2010年から2015年にわたって放映されたこのドラマは世界各国で放映され、日本ではNHKで副題として「華麗なる英国貴族の館」が付けられてBSで放映されてきた。そのシーズン6が終に先週土曜日に終わった。シーズン1は1912年からタイタニック号の悲劇が伝えられる。それから第1次世界大戦がはじまり、スペイン風邪の大流行と共に第1次世界大戦が終焉、最終回のシーズン6は1925年。時代は大きく変革し、労働者階級の台頭、貴族社会における経済的な困窮でカントリーハウス(貴族の農園とその領地の城館からなる荘園のような物)は手放すしかない、使用人も解雇せざるを得ないような社会環境に激変していく。その中でダウントンアビー家は極めて開明的て3人姉妹がそれぞれの立場で幸せを求めていく。長女メアリーは跡取り意識が強く、結婚した中流階級出身のマシューとは何かと軋轢も多かったが、次第に農園経営にも力を入れるようになるが、交通事故で死去。シーズン6では自動車レーサーのヘンリーと結婚する。次女イージスは長女と仲が悪かったり、不運が重なり中々良縁に恵まれなかった。その中でロンドンの雑誌への投稿をキッカケに出版社の経営に関わる。交際相手のバーティーが偶然親戚の侯爵位を継ぐことになり最終回で結婚する。3女シビルは使用人運転手ブランソンと駆け落ち同様の結婚し、おまけにそのブランソンはアイルランド出身でアイルランド独立を支持する社会主義に共鳴していて・・、と話題に事欠かない。シビルは産後に妊娠中毒症で急死し、その娘にもシビルと名付け、ブランソンは次第にグローリー家になくてはならない人になっていく。というようにグランサム伯爵家の人たちは時代の影響を受けて結果的には時代と共に生きることになり、当時時代についていけず多くの貴族が落ちぶれていく中で、このグランサム伯爵家は賢明にこの困難な時代を切り抜けてハッピーエンドにしてある。ダウントン・アビーの館には多くの使用人が働いている。執事カーソンは当主の絶大な信頼を得ている伝統的な名執事でその統率の下、多様な人たちがきわめて個性豊かでその人たちの生き様、その考えや行動からも時代が色濃く表現できていて飽きることなく見終わった。例えば副執事のトーマスはLGBTで悩みを抱え、侍女にはDVで苦しめられた経験者がいたり、無学の調理人助手デイジーは勉強好きでいろんな経験を積みながら徐々に世間の動向に自分の意見を述べるように成長していくなど・・・。実に面白いドラマだった。正に「ダウントン・アビーロス」状態だ。実は今年2月頃、このドラマの映画版が公開されていて観に行きたいと思っていたらコロナ禍で行けずじまいだった。惜しいことをしたと思っている。劇場版のDVDを借りてくるという手が残っているができれば映画館で観たいものだ。

 

2020年8月29日土曜日

有川 浩:「クジラの彼」

 自衛隊員の恋バナ6編、クジラは潜水艦のこと。いづれも野生時代という雑誌に連載されていたもの。空飛ぶ広報室関連での自衛隊取材の余禄かとお見受け。夏の夜に楽しむには適当な話とは言え、類似の話もここまで続くと些か食傷気味になるのは止むを得ない、というしかない。

2020年8月16日日曜日

村田沙耶香:「コンビニ人間」

 2016年の第155回芥川賞受賞作。純文学の基準がよく分からないがこんな面白い芥川賞受賞作を読んだのは初めてのような気がする。現代社会の象徴的な「コンビニ」を活き生きと描いている。どういうタイムスケジュールで動いているのか、そこで働く人たちの生態もよく分かる。そこに自分がどうも人間の顔をしているが人並みの振る舞いができないと分かっている古倉さんがアルバイトで勤め始め、マニュアルを一から教育され、何か人並みに振舞う基準を与えられたと感じて人間としてスタートしたかのように感じて、プライベートな時間もすべて翌日のアルバイトに合わせて体調を調整し、万全を尽くす。コンビニ人間の誕生だ。コンビニで接する社員や来客を通して人間をクールに観察し、取り入れられることは取り入れて人間らしく振舞い続ける。大学を卒業してからも就職はせず、ひたすらコンビニのアルバイト業にまい進する。そのうち、白羽さんという婚活のためにアルバイトに応募してきた中年男をひょんなきっかけで自宅に引き取る(本人は飼う、と称している)。あれほど打ち込んできたコンビニのアルバイト社員を辞めることになって生きる目標を失った古倉さんは白羽さんに勧められて就活に出かけるが、そこで時間調整に立ち寄ったコンビニが不慣れなバイトさんと人手不足でパニックに陥っているのを見かけて俄然本能が目覚めるかのように活躍しだし、自分のあるべき場所を再確認していく。ネタばらしのようになってしまった。次にどんな作品を書くのだろうかと心配と期待感も加わる作品だった。

2020年8月14日金曜日

有川浩:「阪急電車」

心ほのぼの、文庫版を読んだ。解説で児玉清が「錆びた血が騒ぐ」との表現に思わずニヤリとしてしまった。作者のエンターテイナーぶりには本当に感嘆する。物語は阪急今津線。1993年から2年間、武庫之荘で過ごした。そして何と変わった地名の多いところかと感心したことを思い出す。甲子園は何となく常識的だが、甲東園、香櫨園、極め付きは苦楽園、ここがまた超々大邸宅街という驚きもあった。今津線での驚きの地名は門戸厄神という地名、近くには神呪町(かんのうちょうと読むらしい)というオドロオドロシイ地名もあり、尼崎という地名も平安時代から開けた浜辺、大物(だいもつ)という読み方の地名もあってとにかく物珍しかった記憶がある。 今津線の各駅を利用客の人生の一こまを切り取りながらまるで連歌のように、リレーのように幾組かの若者の生態がバトンタッチで描かれていく。阪急今津線を往復する絶好の夏の夜の読み物でした。

今年の夏は「GoTo 図書館」となりそう。

吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」

 横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...