2015年9月26日土曜日

万城目 学:「鴨川ホルモー」

読後感をいえ、と言われても何と言えばよいのか戸惑う。ホルモーなる言葉からして怪しい。怪しすぎる。 8月末に予約しておいた本が届いて、読み終わった。これが噂の「鴨川ホルモー」なんだ。読み終わったが結局、「ホルモー」とは何なのか説明できない。一言でいえば京都の特定の4つの大学間で競い合う「戦闘ゲームを楽しむ」同好会活動を描いた青春ドラマ、ということになるのでしょうね。特定の4つの大学とは京都産業大、立命館大、龍谷大、そして京大の4校。他の3校は兎も角、京都産業大学というのは1965年創立だから、この話の対抗戦は精々、50年足らずの間しかやることは叶わなかったはず・・・・なんてまともに論評するほどのこともないのではあるが・・・。なのに暴力団まがいの名称を持つ京大青竜会の代表は第499代目を名乗る。陰陽五行説からとった京大(青-東-木)、京産大(黒-北-水)、立命館(白-西-金)、龍谷大(赤-南-火)の四大学対抗の組み合わせといい、怪しげではないか!こんなお話をでっち上げ、延々と書き連ねる根性が恐ろしい。なのに最後まで読んでしまったのが何とも悔しい。なぜこの本を手にしたのかは過去の「ザ・万遊記」に記した。

2015年9月17日木曜日

宮本 輝:「田園発港行き自転車」

富山県黒部川の流域に広がる入善の町、京都、東京を舞台にして人と人の繋がりを丁寧に書いて癒される。2015年発行の最近作。富山の旧北陸街道筋が出てくる。岩瀬、舟見城址、愛本橋など行ってみたくなるようなところに思えてくる。

2015年9月12日土曜日

マイクロソフトの生き残り作戦は?

マイクロソフト社がWindows10で打ち出した無償アップグレード作戦には驚かされた。ビジネス用のOfficeソフトと共に、目に見える収益源だった筈だ。これを手放すとどこで儲けるのだろうか?サーバービジネスも既にかなりLinuxに食われている筈だ。Googleは検索技術と広告を収益源にして、アマゾンは今や物流会社だ。物販を背景にしてタブレットも格安で提供して浸透を図っている。Appleは元々ソフトは無料、先進的なパーソナル機器でユーザを魅了して離さない。競合する会社がすべてソフトの無償化戦略を打ち出している中で、マイクロソフトはその波に呑まれていくのだろうか?Satya Nadella氏がCEOに就任してからマイクロソフト社のソフト無償化戦略は急拡大している。 「フリーミアム」という言葉が使われている。フリーミアムとは基本的な機能を備えたソフトやサービスを無償で提供し、プレミアムな機能やサービスを有料で提供するモデルである。EvenoteやDropboxなどがフリーミアムを採用していると説明されると実像が見えてくるような気がする。これらの戦略、流れを紹介しているこのサイトを読んでいただくと分かる。消費者にとってはWindowsやOfficeソフトが無償で使えるのはとても有難いことだが、ユーザ囲い込みに走るICT大手の競争は熾烈だ。マイクロソフトがこの戦いをどう生き抜いていくのか、興味は尽きない。

2015年9月8日火曜日

ホームページ用画像:透過型gif画像の作り方

最近やったことを忘れやすく、なかなか身に付かない。仕方がないのでわがブログを外部記憶装置として利用するしかない。何であれ、わがブログを見るとその時やったやり方を参照できるようにしておくことにした。前からもそんな意識はあったのだが、今後は益々鮮明にそのことを意識してやらねばならない。 1.先ず画像をホームページ用にgif化する。(ペイントが便利) 2.Irfanviewでその画像を開く。 3.[名前を付けて保存]で「GIF - Compuserve GIF」に。 4.保存画面の下にある「設定ダイアログを表示」チェックボックスをチェック 5.右に出た「JPEG/GIF保存設定」ウインドウの「透過GIFで保存」にチェック 6.「透過色を設定して保存」にチェック 7.元ウインドウの「保存」ボタンをクリック 8.絵の透過させたい色をクリック 以上

ドイツ

この国のことを考えるとき、いくつもの前提が思い浮かびます。

・私的には、自分が異国に足を踏み入れた初めての国
・あのユダヤ人大虐殺をやってしまった国
・ヨーロッパの中で常にフランスと覇権を争ってきた国
・見事に東ドイツを吸収してしまい(といっては具合が悪いけれど)、統一ドイツを再興した奇跡の国
・ある日、原発ときっぱり手を切ってしまった国
そして今、
・決してギリシャの債務を許さない、一方で年間50万人ともいわれる難民を受け入れ続けている国
・それでも(それだから?)EUでは「一人勝ち」の国

この国の不思議に迫ったジャーナリストは何故でない?

そんな思いで検索してみたら一人のジャーナリストが浮かび上がってきた。その人の名は<em>松田雅央</em>(まつだまさお). ドイツ・カールスルーエ市在住ジャーナリスト。どんな人かは知らない。ただこのカールスルーエ在住というところに引っかかりました。カールスルーエは、何を隠そう、私が初めて異国に足を踏み入れ、生活をした街だというそれだけの個人的な興味だけです。この人の書いていることを少し続けて読んでみたいと思う。

今、1万人に近い難民を受け入れているという。こんなことをやっていける国は一体どんな国なのでしょう。戦後70年、灰燼に帰した国土から立ち上がった2つの国、ドイツと日本。その70年の歩み。今日の姿の相互の違いはどんなところなのでしょう?日本ではこんなことは考えられるでしょうか?

2015年9月7日月曜日

角田光代:「私の中の彼女」

タイトルの彼女とは「祖母」的なもの、のことと理解。単なる読み物ではない。叔母の生涯を土蔵の中から見つけた1冊の本や残された手紙を通して想像する。母からは軽蔑の言葉でしか説明されることのなかった叔母の生涯を想像し、なぜか惹かれ続ける。本物の人間を、苦悩しながら成長していく自分をもう一人の自分が見つめる小説だった。読み進めるうちに、なるほどいいタイトルにしたね、と言いたくなってくる。読ませる本だった。

吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」

 横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...