マスコミは時代の転換をはやし立て、朝からフィーバー気味に思える。自分にとってこの日に残念ながらそれほどの感慨はない。
ただ色んな情報の中で天皇の「象徴」というものへの真摯な態度、平和憲法への忠実さ、先の大戦への慚愧の念は良く伝わってくる。そこには戦後教育の一環として少青年期に受けた教育がしっかり根付いていることを感じ取る。この平成の天皇のものの考え方は恐らく、敗戦直後から4年間、皇太子時代の英語の家庭教師として招かれたエリザベス・グレイ・バイニング夫人、そしてもう一人、東宮参与だった小泉信三博士の教えに影響されたものではないのだろうか?良い意味で今世界で最も民主主義の何たるかを示しうる数少ない影響力を与えうる人物の一人になっているのではないかとさえ思わせる。昨今の「○○ファースト」を声高に主張する世界のリーダーたちの中に20世紀をリードしてきた民主主義のモラルや規範を示しうる人を挙げるのは難しい。残念なことは天皇が国民の象徴であると同時に神道の祭主でもあるということではないだろうか?言い換えると一部の政治勢力に利用されやすい立場にあるおということだ。
されはさておき、自分にとっては平成とはどういう時代だったのだろうか?昭和に生まれ、育ち、子供たちを育てた世代の人間にとっての平成は50歳代に突入し、自分のサラリーマンのゴールが近づいてくる総仕上げの時代だった。だから平成と共に始まったバブルの崩壊でそれまでの右肩上がりの時代が今後は望めなくなる時代の幕開けともなった。10年後には企業は何が何でも人を減らし、生き残りを図る中で、サラリーマン時代を終えて第2の人生を歩み出した。それからSOHOとして10年の個人事業を体験し、後の10年はフリーな趣味悠々?の日々、という雑な総括だ。そして令和は???言わずもがなだが、人生の後始末の日々となる。遊びに来た孫娘の相手をしながら雨脚の激しい窓の外を眺めての感慨だ。
2019年4月30日火曜日
2019年4月15日月曜日
朝井まかて:「悪玉伝」
1739~1740年(元文4~5年)に大阪で起きた疑獄事件「辰巳屋騒動」というのはこの本を読むまでまるで知らなかった。この作品のどこまでが史実で、どこからが創作なのかの区別もできない。大阪の大手の薪炭問屋辰巳屋の主人久左衛門が急逝し、店を継ぐはずの養子乙之助を主人の弟木津屋吉兵衛が追い出し、店を乗っ取った事件とされているようだが、本作では悪玉は辰巳屋の大番頭与兵衛であったり、江戸の老中松平和泉守であったり吉宗公であったりする。誰の視点に立つかによって、悪玉は入れ替わってしまう。本作では吉兵衛は冤罪を受けた被害者との視点で書かれている。「辰巳屋騒動」がどういうものか詳しく知らない私には、大坂の商家の相続事件が、吉宗、大岡越前などを巻き込み、更に、商人と奉行所の癒着、江戸と大坂との関係、金貨銀貨の改鋳、牢獄の実態などの様々な要素を盛り込んで複合的な物語に展開していく。吉宗の意向を忖度する目付け役、大岡忠相、よく出てくる名裁きとは程遠い迷いの中で苦悩する。単なる勧善懲悪物語として描くのでない著者の筆力で最後までどうなるのか、冤罪ではないかというスタンスでの描写なのでどう折り合いをつけるのかとハラハラしながら読み進んだ。最後にお白州の場で宿敵、唐金屋との相対(個人ベースの談合)でその謎が明かされる。面白かった。
小説2016年6月号?2017年12月号に隔月で連載されたものに加筆修正し、2018年7月角川書店から刊行。辰巳屋一件と呼ばれる史実もの。
小説2016年6月号?2017年12月号に隔月で連載されたものに加筆修正し、2018年7月角川書店から刊行。辰巳屋一件と呼ばれる史実もの。
2019年4月14日日曜日
生命力に驚嘆!
引越して1年と5か月が経った。引っ越しの時庭にあった行く株かの草花を引き受けて頂いたのだが、先日そのお宅のお庭で見事開花しているのを見せて頂きました。お庭の一等地に咲きそろっていました。クリスマスローズです。珍しいと思っていた黄色とピンクのまだらの株は掘り起こす時点で根腐れ状態で、念のために持っていって頂いたのだが残念ながらそれはだめでした。そしてもうひとつ、早春に開花するアズマイチゲ、これは東北の地、角館で仕入れてきたものと高尾山で購入したものの2種あったのですが、これはできれば手元でも再度咲かせてみたいと地下茎らしきものを掘り起こしマンションのベランダで育てることにしたのでした。開花したら株分けしますよ、と約束付きで。しかし、去年一年間、何の芽生えの様子もなく過ぎました。そして今年の春、チェックしたら、なんと幼葉が芽吹いていたのです。プランターなので水持ちも悪かろうと出てくる雑草を取らずに水持ちを少しでも良くするようにと思っていました。その間から出てきたのです。見覚えある葉の形、間違いありません。来年か何年後かには花をつけるのではないかという希望が湧いてきました。そして今一緒に暮らしています。楽しみです。[gallery ids="4060,4061"]Mさん、株分けする日をもうしばらくお待ちくださいね。それにしても驚異の生命力です。
2019年4月9日火曜日
今年も展覧会が終わった
毎年1回、この4月に水彩画教室の展覧会がある。今年は4日から今日9日まででした。1年の総決算ともいえるもので一人3点の出展が義務付けられている。今年も大勢の友人たちが観に来てくれた。中でも高校時代の友人が4人で来てくれてミニ同窓会となったのは一大トピックスともいえる出来事だった。うち2人は故郷の金沢からの参加でした。感謝以外の何物でもありません。また、サラリーマン時代の最後の職場のOB会メンバー、テニスクラブのメンバーの皆さんなども観に来てくれて例年以上の盛り上がりだった。連日、観に来てくれた友人たちとの昼食会も楽しいものだった。こういう新旧色んな友人たちとの交流のツールだと思えば展覧会も捨てたものではないなと思い返し、来年への準備を心掛けなくっちゃ!と殊勝な気になる。兎も角ヤレヤレだ。
2019年4月1日月曜日
新元号:「令和」
私にとっては、しばらくの間の付き合いでしかないのだろうが、この元号を聞いて素直に良いひびきには思えなかった。テレビでは皆さん異口同音に「素晴らしい」、「穏やかで平和になって」、というような感想が軒を並べていた。石破氏が「命令」の令を思い出すのでどうかなぁ、という率直な感想を漏らしたようだが同感である。元々自分は和暦不要論者ですが付き合わされる以上は良いイメージのものであってほしいが、「令」という字を含む熟語を調べると、あまり手放しで良いといえるような前向き、勇気付けられるような、あるいは政府が説明するような、人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ、という意味の感じられるものは出てこない。でてくるのは「命令」、「指令」、「司令」、「戒厳令」、「巧言令色少なし仁」。「令嬢」というのがあって一寸ホッとしたりするが、概ね、上からのお達しに従っていれば場は和む、平和に事は進む、というようなことでいかにも安倍首相の好きそうな言葉ばかりが頭に浮かぶ。これは私だけの妄想だろうなぁ、と思って目をつぶる。
登録:
投稿 (Atom)
吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」
横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...
-
2017年の夏、水をやり過ぎたのかみるみる萎れていった鉢。どうなることかと元気そうな株以外は全部、泣く泣く外して生き永らえた。相模原に引っ越して気長に付き合ってきた甲斐があって去年夏ごろから生気が帰ってきていた。水溶液の肥料などをやりながら時に日光浴させてきたら3年振りに開花した...
-
この日もぽかぽか陽気の暖かな日だった。 多摩モノレールで立川の1つ手前、「柴崎体育館前」で下車して高架から下に降りると、もうそこが根川親水公園だった。湧水が作り出す小川を整備して遊歩道に仕立ててくれている。絶好のスケッチポイントだった。驚いたことに大通りのすぐ脇の高木にアオサギ...
-
NHKカルチャーセンター主催の水彩画講座(2時間*3回)の第一回を受講しました。これまで無料のZOOMアプリを使って家族やNPOのリモート会議を何回か体験してきました。また、NPOで開催しているシルバーの人たちに向けてZOOM会議の受講の仕方、主催の仕方などの講義をしてきました...