自衛隊員の恋バナ6編、クジラは潜水艦のこと。いづれも野生時代という雑誌に連載されていたもの。空飛ぶ広報室関連での自衛隊取材の余禄かとお見受け。夏の夜に楽しむには適当な話とは言え、類似の話もここまで続くと些か食傷気味になるのは止むを得ない、というしかない。
2020年8月29日土曜日
2020年8月16日日曜日
村田沙耶香:「コンビニ人間」
2016年の第155回芥川賞受賞作。純文学の基準がよく分からないがこんな面白い芥川賞受賞作を読んだのは初めてのような気がする。現代社会の象徴的な「コンビニ」を活き生きと描いている。どういうタイムスケジュールで動いているのか、そこで働く人たちの生態もよく分かる。そこに自分がどうも人間の顔をしているが人並みの振る舞いができないと分かっている古倉さんがアルバイトで勤め始め、マニュアルを一から教育され、何か人並みに振舞う基準を与えられたと感じて人間としてスタートしたかのように感じて、プライベートな時間もすべて翌日のアルバイトに合わせて体調を調整し、万全を尽くす。コンビニ人間の誕生だ。コンビニで接する社員や来客を通して人間をクールに観察し、取り入れられることは取り入れて人間らしく振舞い続ける。大学を卒業してからも就職はせず、ひたすらコンビニのアルバイト業にまい進する。そのうち、白羽さんという婚活のためにアルバイトに応募してきた中年男をひょんなきっかけで自宅に引き取る(本人は飼う、と称している)。あれほど打ち込んできたコンビニのアルバイト社員を辞めることになって生きる目標を失った古倉さんは白羽さんに勧められて就活に出かけるが、そこで時間調整に立ち寄ったコンビニが不慣れなバイトさんと人手不足でパニックに陥っているのを見かけて俄然本能が目覚めるかのように活躍しだし、自分のあるべき場所を再確認していく。ネタばらしのようになってしまった。次にどんな作品を書くのだろうかと心配と期待感も加わる作品だった。
2020年8月14日金曜日
有川浩:「阪急電車」
心ほのぼの、文庫版を読んだ。解説で児玉清が「錆びた血が騒ぐ」との表現に思わずニヤリとしてしまった。作者のエンターテイナーぶりには本当に感嘆する。物語は阪急今津線。1993年から2年間、武庫之荘で過ごした。そして何と変わった地名の多いところかと感心したことを思い出す。甲子園は何となく常識的だが、甲東園、香櫨園、極め付きは苦楽園、ここがまた超々大邸宅街という驚きもあった。今津線での驚きの地名は門戸厄神という地名、近くには神呪町(かんのうちょうと読むらしい)というオドロオドロシイ地名もあり、尼崎という地名も平安時代から開けた浜辺、大物(だいもつ)という読み方の地名もあってとにかく物珍しかった記憶がある。 今津線の各駅を利用客の人生の一こまを切り取りながらまるで連歌のように、リレーのように幾組かの若者の生態がバトンタッチで描かれていく。阪急今津線を往復する絶好の夏の夜の読み物でした。
今年の夏は「GoTo 図書館」となりそう。
2020年8月10日月曜日
馳星周:「神(カムイ)の涙」
馳星周の小説は、ついこの間まで毎日新聞連載の「スミレの香り」を読んだところで、これが2冊目。北海道出身の馳の得意の舞台設定だ。舞台は北海道の川湯温泉。ここには確か2003年夏、フライト&レンタカーの旅で2泊の旅行を楽しんだことがある。その2泊目が川湯温泉だった。初日は中標津空港に入り、そこでレンタカーを借りて知床峠を経由して半島を横断して羅臼で1泊。知床5湖の2つを散策し、海上からも遊覧船で知床半島を遊覧し、海岸線をうろつく熊を見た。2日目、オシンコシンの滝や原生花園を探訪した後、川湯温泉に入った。硫黄山や霧の摩周湖を見学した。到着した夕方は摩周湖は霧に覆われてた。そして翌朝再度行ってみると朝から雲一つない快晴で第1展望台から湖の全貌を見ることができて喜んだものだった。
さて物語は、東日本大震災と福島原発という忘れられない大災害を経験して原発の存在に大きな疑問を持つに至った日本の人々の心情を下敷きに、東電社長に「申し訳なかった」と謝罪して詫びさせようと目論む3人の若者による東電社長誘拐事件で始まる。3人の内の一人のアイヌ人、尾崎雅比古が自分のルーツを求めて川湯温泉にやってくる。物語中のハイライトが摩周湖の滝霧。早朝にカルデラの外輪山に溜まった大量の霧が気温上昇に伴って摩周湖に雪崩落ちる時に見られる自然現象。Youtubeで”摩周湖 滝霧”で検索するといくつもの動画がアップされていて物語の描写と実際がどうなのか、を比較してみることができる。小説読みの新しいスタイルだ。友人のOさんからの情報で新しい楽しみ方を教えて頂いた。感謝。北海道国立アイヌ民族博物館「ウポポイ」が今年の7月12日にオープンしてニュースにもなっていた。タイムリーな読み物でもあった。
2020年8月8日土曜日
コロナ禍(下)に尾瀬!?
2020年8月5日水曜日
今村夏子:「むらさきのスカートの女」
2020年7月25日土曜日
COVID-19(6):失敗の本質(日本軍の組織論的研究)
吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」
横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...
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平成の回顧がこの時期の流行なので、便乗して気になることをボツボツと書いてみたいと思った。 地球は一つ、掛けがえのない地球。人類が消費している数多の資源の中で、最初に資源の枯渇化が危惧されたのが「石油」だった。1970年代には石油資源はあと30数年で枯渇するという説が流布したのは記...
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図書館の開放架をサラッと見ていた時、この「かわたれどき」というタイトルに目がとまり、借り出した。この言葉には強い思い出があったからだ。昔の話ではあるが、高校生になった時、古文を担当するとてもユニークな先生がおられてその授業は緊張感もあり、面白かった。授業は黒板に新古今和歌集から...
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今日の日経プラス1(土曜版)から引用紹介。 東京ガス(http://www.tokyo-gas.co.jp) の「my Tokyo Gas住まいと暮らしの便利帖」では「寒い冬は特に一度沸かしたお湯を大切に使う”お湯まわりの省エネ”が効果的」など、様々なガス代節約の豆知識が得られ...





