2020年10月25日日曜日

夕焼け(10月23日)

 アップするタイミングが遅れてしまったが、先週の金曜日までの長雨が上がり、翌日の晴れを予感させる凄い夕焼けだった。



2020年10月18日日曜日

凪良ゆう:「流浪の月」

 2017年の吉川英治文学新人賞、2020年の本屋大賞作品。著者は漫画家志望だったそうだが実際には多彩な執筆活動を行っている様子だが、その著作のテーマでは、一貫して「どこまでも世間と相いれない人たち」を書いてきたことだという。(Wikipediaから)

本作も主人公更紗は親に恵まれず、8歳で叔母の家に引き取られ育つが、その家の中2の男の子(従弟)に夜ごと悪戯されて過ごさざるを得なかった薄幸の身。居所がなく家には帰りたくない。偶々公園で出会ったロリコン風の若い男に連れられてその家に転がり込むように現実から逃避した。やがて捜索願が出て幼女誘拐事件に発展していく。確かに世間から容易には受け入れてもらえない状況の若い男女が成長しても過去の忌まわしい事件から逃れることはできない。二人は事件から10数年たって偶然に出会い、しかし、不条理の積み重なりの中で二人だけが分かり合える僅かな安らぎを慈しむ。しかし、ネット社会ではいつしか昔の出来事が蒸し返され、築き上げたささやかな平安がもろくも崩れていく。救いようのない状況の二人を描くが不思議と温かみが感じられる作品だった。Diversity(多様性)と言えば容易いがいろんなハンディキャップを持った人が実社会で当たり前のように生きていくことはむつかしい問題だらけだということが実感させられる。

2020年10月14日水曜日

いやーな感じ

 安倍総理の引退劇が終わってヤレヤレと思ったら、後継菅内閣がこれまた、大変なこわもて内閣であることに当惑してしまう。「国家公務員たるもの内閣の方針に逆らうものは左遷する」というようなことを公言して憚らなかった菅義偉。これが彼の権力掌握法であり、実行力の源というから恐ろしい。今流でいえば「パワハラ」全開内閣だ。そして今度は日本学術会議の新会員として推薦された105人から6人を任命拒否した。学術の何たるかを知らず、現政権に楯突く学者を排除する魂胆だけが見え見え、それも法解釈を曲げて押し通す。かと思ったら中曽根元首相の政府自民党合同葬儀に対し、文科省から国立大学学長に弔旗の掲揚や黙とうをして弔意を表明するよう求める通知を出させたというではないか?中曽根なる人物がどれほどの人であったかは知らないが、一政治家の葬儀にそれほどまでのことをする真意が全く分からない。ひょっとしてある種の「踏み絵」ではないのか?安倍首相が言っていた「戦後レジュームからの脱却」を進めるためのリトマス試験紙?至る所にこのような仕掛けを作って・・・アメリカのマッカーシー旋風の再来。戦前の特高警察国家への復活劇の始まり。民主国家が危ない、こんな日本をこれからの日本の若者に残すことにはしたくない。世界に羽ばたく科学者や技術者を生み出す闊達として活動する環境からは凡そ乖離した社会を作りたがっている。「いやーな感じ」。


2020年10月4日日曜日

池井戸潤:「銀翼のイカロス」

先頃テレビドラマが終結し、「半沢ロス」などと報じられたドラマの原作が届いて読みだしたがドラマの方がどんどん先に行きネタばれ状態で読書意欲も減衰し、流石にテレビドラマの最終回はビデオに録っておいて、見ないままで原作を読み終えてから最終回を見るという苦労を背負わされた。結果、ドラマは原作を上回るドラマチックさでした。サラリーマン西部劇風ですね。ど派手で、最後は正義が勝つで安心して見られます的。それまでの展開は意外に原作に忠実でした。 

2020年10月2日金曜日

仲秋の名月

 仲秋という言葉はこの時期にしか思い浮かばない。旧暦では7月、8月、9月が秋で、その真ん中が8月なのでその15日が秋のど真ん中という意味か?その名月とは言うまでもなく15夜の満月のことを思い浮かべるが、陰暦ではおおらかだったのでしょうか真ん中の15日を指していたようで必ずしも満月ではなかったらしい。太陽暦になるとこの仲秋の名月をいつにするかというのは結構悩ましいことらしい。何故なら、昔は満月の夜に限っていたわけではなかったからですが現在では満月でなければ名月とは言えない・・・という風に考えてしまうかららしいので機械的にはいかないらしいのです。仲秋の名月が10月になるのは結構珍しいことのようです。今日、10月2日もしっかり満月に見えました。

2020年9月25日金曜日

COVID-19(8):スポーツジム会員に家庭内感染発生

今日の夕方、一通のメールが飛び込んできた。会員の保護者から「家庭内感染」が発生したとの連絡があり、施設全域と送迎車両の消毒作業を9月26日に実施するため急遽明日1日は臨時休業するとのことだった。同メールによれば、「管轄保健所と連携協議しました結果、濃厚感染者はいないため、消毒作業後の営業は問題なし、と言う判断を頂きました。」とのことでどうやら感染者はスイミングスクールに通っている児童の一人のようだ。とはいえ、ついに身近なところで鬱陶しいことが発生したものだ。色々なNPO活動もやっている手前、暫くスポーツジムはお休みにしようと思う。

2020年9月21日月曜日

川越宗一:「熱源」

 初挑戦。第162回直木賞受賞作。アイヌにはユーカラ(樺太アイヌでは「ハウキ」と言うらしい)という叙事詩があると聞かされていたが、この小説もまたアイヌ民族の現代史の一断面を丹念に調べ上げて書かれた叙事詩的作品だった。

それは初め無主の島、サハリン島の成り立ちをロシアと日本の共有地としてスタートし、後(明治維新のころらしい)にロシアが単独で領有することになり、日露戦争後に講和条約で北緯50度以南のサハリン島は日本の領有に変り、1945年8月の太平洋戦争によってソビエトが嘗ての領有権を回復しようともくろむ日ソ不可侵条約を破棄した時点までを俯瞰するような物語だった。主役はその地で暮らすアイヌの民。サハリンに住むアイヌの民は希望によりその後住む地をそのままサハリンに留まるか、或いは日本(北海道)にするかを選択できたらしい。そして日本を選んだ人たちが石狩川のほとりに入植した。その入植者たちの中から自分たちのルーツを求めて再度サハリンに戻った人たち(ヤヨマネフク、シシラトカ、千徳太郎治)が主人公だ。平穏に狩猟を中心として暮らせればそれでよかったアイヌの民にロシアと日本の都合が、そして文明が自然と征服される側の民族へと押し込められる。ロシアの流刑囚プロニスワフ・ピウスツキ(後に民俗学者となりアイヌの民を研究、アイヌ民族を世界に紹介)その妻となるアイヌのチュフサンマなど。金田一京助、大隈重信などが歴史に顔を出す。無知から土地を追われ、権益を奪われて貧困から抜け出せず、また同じように伝染病に対する知識もなくコレラや天然痘に多くの同胞を失い、滅びゆく民族として扱われることへの抵抗感を感じながらもあがき続ける主人公たちの苦悩を描いていく。日露戦争後は日本統治下の樺太では白瀬中尉の南極点到達探検隊に同行してアイヌの存在を歴史に残そうと応募し南極大陸にまでも行くが成功までには至らない。そして時は移り人は世代を繋ぎ、同じ苦悩の中で1945年終戦を迎える。

先に読んだ馳星周のカムイの涙が現代のアイヌの生活の1断面を描いていたが丁度それを裏打ちするようなアイヌの歴史を知る貴重な一冊だった。


吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」

 横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...