2013年1月23日水曜日

凄い詩人たち

1月20日に柴田トヨさんが亡くなられました。101歳だったそうです。90歳から詩を書きはじめ、98歳で「くじけないで」を初出版、もう200万部近い人が買って読んでいるのだそうです。新聞で訃報に接し、経歴を読むまで私は全く知りませんでした。100歳で「100歳」を記念出版され、NHKでも2回にわたって取り上げられたそうです。

そしてもう1人、90歳の詩人。加島祥造さんの詩が紹介されていました。「受けいれる」です。最愛の人を亡くされて辿りついた言葉だそうです。東日本大震災で被災された人たちにも影響を与えているかもしれませんね。理不尽にも幸せを奪われた人みんなに共感を呼んでいるのでしょうね。

同時代の先人たちには凄い人達がいるものです。これからこの人たちのものも手に取ってみようと思いました。

2013年1月17日木曜日

芥川賞と直木賞

この選考は年2回ある。一般的な文学賞は年1回ですが、何故はここは2回なのです。営業政策なのでしょうか?芥川賞は新人発掘という大義名分を立てていますから年2回は良いのかもしれませんが、直木賞のような大衆文学の選考は年1回で厳選してほしいような気もします。一読者の勝手な言い分ですけど・・・。今年の芥川賞は黒田夏子さん、75歳と聞いてびっくり。しかし、略歴を見るともう70年も書いているそうです。それで新人というのも如何なものかとも思いましたが、ケチをつける気はありません。芥川賞ではここ数年、あまり感心したことはありません。というか理解不足でついて行けてないのです。良さを理解できないというか感覚的に合わないのです。前衛的なところに重きを置いているのでしょううか?

直木賞は安部竜太郎と朝井リョウ。安部はこの間まで日経新聞に連載していた「等伯」で、朝井は「何者」。「等伯」は連載で読みましたが、読ませる作だなぁ・・・・と思っていたので何となく合点がいきました。朝井は23歳、平成生まれの初受賞という快挙のようです。前作の「桐島、部活・・・」は先ごろ映画化されて話題になった作品でもあり一度読んでみようかなと思わさせられます。

2013年1月15日火曜日

佐々木譲:「カウントダウン」

この人のものも随分読んでしまいました。内容をあまり選ばず読んでいます。北海道警察シリーズはほとんど終わり、後はロシアとの諜報物が何冊か残っています。今回は北海道の夕張に近接する小都市の財政破たんに伴って、1年生市会議員が思いがけずも市長選に挑戦し勝利するまでの選挙戦の話でした。選挙に付き物の中傷合戦やその克服といったドラマもありましたが、その勝利の先にさらに図らずも国会議員さえ視野に入ってくるアメリカンドリームのような結末で、世の中案外こんなものかもしれないと思わせるようなものでした。

2013年1月14日月曜日

映画:「立川談志」

懐かしいお顔をデジタルの映画でまじまじと拝見しました。

久し振りの映画です。昨日の天気予報では低気圧が大荒れとなって関東地方にもやってくると報じていましたが、まぁそれほどの事もないのではないかと高をくくり、かねてから調べてあった昭島のデジマックスというシネマコンプレックスに行こうと決めていました。この時期、この映画をやっているところはこの近辺ではここしかありませんでしたので。しかし、最近の天気予報は正確ですね。朝9時を過ぎると、雨が大粒のみぞれになり、直ぐに雪にと変わりました。大きな雪片は昔、牡丹雪と言っていたもので、よく積もります。あっという間に10cm程度にまでなってしまいました。流石にどうするか迷ってしまいましたが、車はスタッドレスタイヤで装備しているし、四駆はスリップにも強いし、大きな通りを選んでいけば問題なかろうと、勇を鼓して出掛けました。

「立川談志」は12:30と17:30の2回しか上映されません。物好きはどのくらいいるのかと、これも興味津々でしたが、流石に入場者は20名程度と少なかったです。逆に20数名もいるのかと感心もしたり。以前も書きましたが、談志の落語論、「業」、「江戸の風」(ここまでは判る)や判ったようで解らない、「イリュージョン」を熱っぽく語っている生前の姿に感慨を新たにしました。そして後半は収録されていた2008年の三鷹での名演「芝浜」をたっぷり見せて貰いました。気持ちの入った熱演であり、談志らしい新しい解釈が入っていて堪能できました。前半の「ラクダ」に見る「業の深さ」とその割に明るい話になる落語の凄さも実感できました。古き江戸の落語の良さを現代に繋いだ名人でした。

2013年1月7日月曜日

ニュー・イヤー・コンサート

高校時代の同級生4人組によるこのところ恒例になってきたニューイヤーコンサート。去年は新宿の新国立劇場だった。今年はサントリーホールで、秋山和慶指揮する東京交響楽団の演奏でした。曲目がニューイヤーコンサートとしては割と重めでした。この時期ではウィーンのニューイヤーコンサートに習って、ワルツやポルカといった軽い短い曲目が並ぶのかと思っていたら、ポピュラーですが交響曲やピアノ協奏曲を並べた豪華版でした。

ヨハンシュトラウス:美しき青きドナウ
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 ピアノ:中村紘子
ドボルザーク:交響曲第9番「新世界より」

という曲目でした。どれも良く聞いていてなじみのメロディーがあふれ出てくる音の洪水の中、新春に相応しい組み合わせでした。
終わった後、近くの日枝神社に初詣でして、そのあと中華料理を食しました。キャピタル東急の 「星が岡」という高級中華料理店でした。普段足を踏み入れる機会などないところでした。こんなことを続けられる幸せを噛みしめ合いました。

2013年1月3日木曜日

迎春

穏やかな日差しが続く新春です。と書き始めて去年も同じ書き出しではなかったかと気になりはじめました。すると、さて、あの大震災のあった2011年の新年には何を書いたかと気になり遡って見てみました。

2011年も穏やかな年明けだったようです。しかし、山陰地方や東北での大雪の被害から停電について注目して書いていました。照明、暖房、厨房、ICTのすべてが電気なくしては全く機能しないのでここの部分の危機管理について心配していました。「テロの狙い目も発電所や送電線だというのも当然でしょうね。これからの時代、危機管理の質が問われそうですね」と結んでいました。テロではなく大地震が来て東北の太平洋側に壊滅的な被害をもたらしました。そして去年2012年の初めは1月2日に上野の国立博物館に「清明上河図(せいめいじょうがず)巻」を見に行っています。これを見る人の列に驚き、170分待ちで観ることができたこと、その時の観客のお行儀の良さに驚き、東北の人々のあきらめにも似た穏やかさに共通点を感じ取っていました。あの日は午前中国立博物館前の奏楽堂をスケッチして水彩の描き初めもしたのでした。

今年は私は昨日今日と続けてテニスコートに通いました。短時間でしたが楽しく健康テニスを楽しみました。所属しているクラブには82歳の元気な方がいまして、今日もその方の健康の秘訣をお聞きしました。兎に角、少しずつでも良いので毎日体を動かす、バランス良く食事をする、他人と話をする、の3点だと言っていました。頭も体も働かせ続けるという事でしょうか?五体満足の状態なら少しでもそういう生活を続けられるよう努力したいものです。明日はスケッチの描き初めをしたいなぁ。

常盤新平:「遠いアメリカ」

2冊続けて、自伝的青春物語でした。

青春時代の鬱々とした出口のないもやもやした気分が全編に溢れる好感の持てる佳作でした。アメリカ文学の翻訳家として身を立てたいとの思いはあるものの、英語力や才能に自信もなくまた、取っ掛かりもなく、まして裕福でもない親のすねをかじりながら鬱勃とした日々を送る作者の自伝的青春小説でしたが、この前に読んだものと比べると、心情的には同感できる部分の多い本でした。年代的には自分より10年ほど年長者でしょうか、昭和30年代前半の時代の貧しい時代、東京にはまだ路面電車が沢山走っていて、学生向けの喫茶店や顔を見て何を頼んでも料金がいつも同じお寿司屋さんがあったりして「3丁目の夕日」のような雰囲気も伝わってきました。現代アメリカ文学のスラングに首をひねり、作中に出てくる”クリネックス”や”ピザや”ハンバーガ”っていったいどんなものなのだろう?コーラもやっと飲んでみたけど、その内、ピザも日本で食べられるようになるんだろうか?そもそもそんな理解のレベルで翻訳家になれるのだろうか?無理だよね、といった感覚で、でもアメリカ映画でゲイリー・クーパーやスージー・パーカー(とてもチャーミングらしいけど自分は知らない女優さん)に感激したりしている様子が面白い。当時の学生が抱くアメリカへの憧れが色濃く文面の到るところから立ち上る。憧れるが「遠いアメリカ」なのです。先輩の翻訳家に紹介されてできた新劇劇団の恋人に「あなたならきっと大丈夫よ」励まされ、少しづつ翻訳の仕事が廻ってくるようになるまでの4年間を4つの短編にまとめ、4編で1つの物語に完結していました。「遠いアメリカ」、父親との関係に主体をおいた{「アル・カポネの父たち」、母親との関係に主体をおいた「おふくろとアップル・パイ」、翻訳家として初めての出版となる本に出てくる服の色と重ねあわせた「黄色のサマー・ドレス」の4編だ。最初の「遠いアメリカ」と最後の「黄色のサマー・ドレス」が良かった。

吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」

 横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...