2011年3月31日木曜日

東日本大震災

それにしても日本の「地震予知システム」は素晴らしいと感じ入っています。また311地震の際、東北新幹線は何ら事故を起こすことなく無事停車し、最寄り駅まで移動できたらしいのです。

福島原発事故(7)

ここのところ毎回、福島原発事故を取り上げていますが、東北の津波の大災害に無関心なわけではないのです。3万人を突破するのではないかと思われる死者を出した大災害をまったく度外視しているわけではありません。おきてしまったことをとやかく言っても仕方がないという思いがあります。これからどういう風な復興の道筋を立てていくのか、これには日本の明日の命運が懸かっていると思っています。これだけの災害を受けて、おめおめと人類の歴史の中に埋没して行こうとは誰も思っていないと思います。この青写真をどう描くのか?できれば復興計画立案に参画したいという強い思いもあります。世界にお手本となるような新しい次世代社会の姿を見せてあげたいと思います。そのことについてはじっくりこれから書いていきたいと思っています。しかし、「福島原発事故」は今正に進行形なのです。静かに鎮静化に向かうのか?はたまた、何か大きな爆発が起こり、放射能が大きく飛散するのか?今後の日本の再建計画を立てるためのベースが大きく狂う、その瀬戸際を進んでいると思うからです。 現状を理解する助けになるものとして大前研一の解説は歯切れがいい。3月27日号がYouTubeに出ている。http://www.youtube.com/watch?v=5mBlngPiaSY ともかく一見の価値ありですね。

2011年3月30日水曜日

福島原発事故(6)

福島第1原発の所在地は北緯37.421480、東経141.032603

東京八王子からの距離は大凡250km。遠いと見るか、近いと思うか?放射線の強さについて聞いたこともない単位を聞かされて、右往左往しています。

シーベルトという単位に少し慣れたと思ったら、今度はベクレル。シーベルトと同じようにベクレルも人の名前に由来する単位だそうです。初めて聞いたような気がします。昔の学校で習った物理などでは出てこなかったような気がします。
「ベクレル」はその物質が持っている放射エネルギー強度、今回で言えば放射能の放射強度のようです。しかし、それは放射線の種類(アルファ線、ベータ線、中性子線など)や環境(衣服などのシールド効果、湿度ほか)によって人体に与える効果は大きく異なるらしい。そこで「シーベルト」という単位が意味を持つことになるようです。
このことを同級生が解説してくれたのが、「お酒」に喩えたたとえ話で、これが妙に説得力があって暗い笑いを誘いましたので紹介します。
要するに、「ベクセル」というのはお酒の本来持っている「アルコール度」のようなものではないか?毎日少しずつ飲んでも(強いアルコール度のお酒でも少量なら害ではないが、ある程度以上続けて飲むと肝臓を傷めて肝機能障害から肝硬変、そして肝臓がんとなって死にいたる(慢性疾患)。もっとがぶ飲みすると「急性アルコール中毒」になって死んでしまうよ。即死もあるよ(急性疾患)。こんな、体に与える衝撃の強さが「シーベルト」ではないか?と。
どう思いますか?こんな理解で日常を過ごしてよろしいのでしょうか?

2011年3月28日月曜日

福島原発事故(5)

今日のテレビ報道で保安員の現地事務所長が報告していました。これはいけません。昔の日本軍の兵隊さんの生活環境と同じではないですか!何の反省もできていませんね。日本人の生命を守ろうと頑張っている最前線の作業員に対する処遇ではないでしょう。ビスケット、缶詰など、1日2食の非常食。そして毛布1枚で廊下でごろ寝。これでは戦えません。アメリカではこんなことはさせません。古くはローマ帝国の昔から、戦う兵士に対する兵站の大切さは基本中の基本です。東電や政府は現場の作業員を使い捨ててきた旧日本軍参謀部と何も変わらないではないですか!この生活環境を改善することこそ、後方部隊としては最大限の努力でなさなくてはならないのではないでしょうか?そして作業する人の交代要員は用意しているのでしょうか?交代要員のためにも準備しなくてはならない最低限の環境ではないのでしょうか!

他方、これまであいまいにしてきた事故の凄まじさが数字になって顕わになってきています。第2号炉でサプレッションルームの破損をほのめかす報道を聞いたのは何日前だったでしょうか?その後原因のわからない煙が立ち上り不気味さの中で平穏が続いてきました。誰もが待ち望んでいた外部電源が引き込まれ、これから冷却系を再建させようという企てはあの圧力容器の一部破損という最も恐れていた現実の前に立ちすくんでいるという情景です。恐ろしい大規模な汚染が広がろうとする極限の所に追い詰められてきたようです。何とかなるか、してくれるのではないかという幻想が脆くも打ち破られようとしているのを感じます。素人の直感ですが。作業員の方たちの奮闘に期待したいのですが、あの生活環境の劣悪さを聞くと、期待することは無理なことのようです。そう思いませんか?

2011年3月26日土曜日

藤沢周平:「霜の朝」ほか短編集

「風の果て」に続けて短編集を読ませてもらいました。タイトルになっている「霜の朝」は江戸の豪商、奈良屋茂佐衛門(こんな人がいたのかどうか知りません)が老境に入って、紀伊国屋門左衛門を見かけ、若き日の自分を思い起こし、しかし蹴落として生き延びていく生き様を描いている。先日読んだ「暗い海」の北斎の心理描写を思い起こさせる一連の作品のようでした。

2011年3月25日金曜日

藤沢周平:「風の果て」

こんな世情の中で、何を暢気な・・・と言われそうですが、寝つく前のひととときを藤沢文学に身を委ねるのは、なんとも癒されるものでした。この小説は読み進むと直ぐ、以前NHKテレビで見た同じタイトルのドラマの原作だと判りました。あのドラマも面白かったなぁ、と思い返しながら時に映像を思い描きながら読みました。こんな時には是非手にとって見たい小説の1つではないでしょうか?

2011年3月23日水曜日

日本列島がギシギシ

きしんでいる。この余震のシツコサはどうだろう。というか、本当の大地震というものはこの程度の影響を周辺に及ぼすというのが正しい認識なのでしょうね。太平洋プレートの北辺に位置する東北沖の日本海溝に沿って、日本列島は存在します。この縁で起きるプレート型地震に相関性がないといったらウソになるでしょうね。しかし、過去の地震の歴史には東北沖の地震と東海、南海地震とが連動した例は見当たらない、らしい。これが、東海大地震の引き金にはならないだろうという専門家の発言につながる論拠らしい。しかし、地震の歴史では南海地震と東海地震とが連鎖して起きたケースは3回ぐらいは残された事績から判っているのです。東北との連鎖は例がないだけで・・・。いたずらに不安をあおっても仕方がないのですが、おきる時には起きる。ニュージーランドの地震も同じ太平洋プレートの南端で起きたものだから、溜まった歪を解消し全体のバランスをとる動きがしばらくは続くのでしょうね。スマトラ沖地震はフィリピン海プレートの西端で起きたらしい。要はプレート間のきしみ解消の動きのフェーズに差し掛かったということかもしれないですね。地球的規模ですから何年後なのか、明日なのか判りません。でも、毎日何回もゆれ続けていますね。この軋みの集中度はこちら

2011年3月21日月曜日

福島原発事故(4)

外部電源の引き込みとそれに続く中央制御室や冷却系に何らかの復活の兆しがないか?

お彼岸の3日間、朗報を待ちましたが、環境が劣化した中での外部電源工事の遅延など理解できる範囲ですね。それにしても、圧力容器の頑丈さは本当に頼りになりますね。これだけの時間持ちこたえているということは奇跡的ではないでしょうか。綱渡り・・・成功しますように。

それにしても、使用済み燃料の保管体制はずさんですね。中間処理施設が日本のどこにも存在しない中で、使用済み燃料だけがどんどん溜まり、それが仮置き場である簡易プールに寝かしてあるだけなんですからね。原子力保安院などという役にも立たない天下り役人の仮置き場こそ問題です。名称だけから見れば、ここが「こんなずさんな保管では運転はまかりならない」といって運転停止させるくらいの実効ある見識権限を行使していてもらいたい役所ですね。これも国の内外から指摘されていますが東電の発表も隠蔽体質が見え見えで信用できません。放射能の拡散の程度もあの発表に対してはセカンドオピニオンが必要ですね。各地方自治体からもモニタリングデータがどんどん出てきて、隠蔽体質がほころびてしまっているのに、発表は相変わらずですね。風向きだけが我々の防護服です。

わが住む町、八王子の隣の日野市で、ガイガーカウンターのデータを日々、ネットで公表している方がいらっしゃいます。<a class="moz-txt-link-freetext" href="http://park30.wakwak.com/%7Eweather/geiger_index.html">http://park30.wakwak.com/~weather/geiger_index.html</a>
10分毎に計測されています。絶対値はともかくトレンドだけは判りますね。データが上方に平均して上がっていますがこの程度でとまっていてくれれば安全なのでしょうか。

2011年3月17日木曜日

福島原発事故(2)

昨日、「大爆発もあり」と書きましたが、ここでいう大爆発とは少なくとも原爆と同じような核爆発が連鎖的に起こるいわゆる原子爆弾のような爆発が起きるという意味ではありません。もっと局所的なものですが、核汚染物質が大量にしかも拡散される範囲を局所に閉じ込めることができないという意味で大変危険であり、厄介なことになるという意味です。どこまで汚染範囲が拡大するのか、予測する能力は私にはありません。報道では、ようやく送電線を引き込む工事準備に入るということですが、遅すぎますね。素人ながらでもその程度は思いつくのに・・・と歯軋りしてしまいます。とはいってもこれを急ぎ冷却手段を確立しなくてはなりません。成功を期待したいです。

福島原発事故(3)

大学時代の友人からメールで次のような紹介がありました。 1.原子力学会も説明責任を果たそうとしてくれています。 http://www.aesj.or.jp/info/pressrelease/com_fukushima02_20110316R.pdf 2.東電社員のwebも紹介します。 F-2(福島第2)の現場を離れた女性技術者の声です。読んであげてください。できれば周りの人にも教えてあげていただければと思い掲載しました。 http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1430652.jpg

2011年3月16日水曜日

福島原発事故

BODY: 恐れていた第2幕が始まりだしてしまったようです。有効な対策が打てない根幹は電源がないことのようです。海上から送電ケーブルで送ることなど、自衛隊の協力を得れば、かなり早く確保できるのではなかったでしょうか?これこそ、全体に対する指揮権を持つ菅首相のそれこそ「政治主導」が発揮されるべき事項でしょう。また、そのような進言のできるスタッフとか参謀に人を得ていない結果なのでしょうか?高濃度の放射能が立ち込め始めている発電所構内では相当に極小化された動きしかできないでしょうね。対策本部のやっていることのスケールが小さすぎます。このままでは間違いなくチェルノブイリと同じか、それを凌ぐ大惨事にと広がっていきそうです。50MWから100MWまでの原発が6基も並んで建っている日本ならではの建設事情が危険性を何倍にも膨らませています。 色々と調べてみました。 過去の原子力発電所の事故暦から見ると、TMI(スリーマイルアイランド)より酷く、 チェルノブイリに近づいていることが判ります→こちら チェルノブイリのように爆発はしないのだろうか?判りません。もし、爆発はしないと安心したい方にはこちらをお勧めします。少なくとも、原子力発電所の仕組みがどうなっていて何が進行しているのかを3/13ぐらいの時点での状況を理解するのに役に立ちます。しかし、これはあまりに楽観的過ぎるでしょうね。コメントに色々な書き込みがあります。役に立たないコメントもありますが、中には有益なコメントもちらほらあります。 このコメントの中に大前研一のニュース解説をYouTube上で見ることができます。これはさらにわかりやすい解説です。元々原子力関係の開発か何かをしていた人ですから。これによれば爆発もありうるという立場です。ここにきて休止していた4号炉やその傍にある使用済み燃料棒の貯水プールの冷却機能が失われた今最大の危険スポットは実はこちらかもしれないと危惧します。火災が起こり、冷却していた燃料棒の余熱を取りきれなくて大気中に露出しているというニュース。さらに深刻になってきました。こちらは制御棒で核分裂を抑制する仕掛けすらない。むき出しのウランペレットが核分裂を再開しかねないのではないでしょうか?球形の塊りになっていないと有効な核分裂を連鎖的には起こしえない・・・核爆弾を作るのはそれなりに難しい、とはよく言われてきたことですが、ペレット上の燃料棒の束はさらに危険な状態を招きかねない、といえないのでしょうか?高校生の頃見た映画「渚にて」が主題歌と共に脳裏によみがえってきました。核戦争の結果、地球上の大気は放射能に汚染され南半球のオーストラリアで人類が終焉を迎える、確かそんな筋書きだったような・・・。

2011年3月15日火曜日

東日本地震

ついでに調べてみました。 地震の年表 、安政の大地震(関東、東海、南海、飛越大地震が連続して発生した) 東京都防災センター 静岡県地震防災センター

東日本地

このブログではこれまでそのことに触れてきませんでしたがこの地震で亡くなられた方々へのご冥福と被災者の方々へのお見舞いを心から申し上げます。しかし、被害のすさまじさは言語を絶します。しかも昨日も書きましたが大地震の第2幕(原発事故)が始まるかもしれないという恐怖感を持ったままではそんなきれいごとがほとんど意味をなさないことを本能的に感じてしまうからなのです。今回の災害の規模を全体として頭に入ってこないとそのような月並みな言葉だけでは済まされないです。今回の地震の名称が転々としています。マグニチュードが8.3→8.8→9.0と修正されるに従って、名称も東北地方・関東地震→東北地方・太平洋沖地震→東北・関東大震災と修正されました。南北500km、東西200kmという広範囲の断層にズレに起因する大地震。マグニチュード9.0は歴史上4番目に大きいという。あの「ノアの箱舟」伝説も実際にあった大地震かもしれませんね。山の上にノアの箱舟が漂着したという話も今回の津波の延長線上で想像できますね。 テレビを見ていたら1000年前にも東北地方で大地震が起きたという記録が残っていたという。貞観(ジョウガン)地震(869年)というのだそうです。こういう時代の記録が残っていたんですね。この時代、いろんなことが次々と起きたみたいですね。→こちら

マグニチュード

今度の大地震のマグニチュードは9.0というのが最終的な気象庁の発表データです。地震の震源域を最初の発表から拡大したためにそのエリアでの放出エネルギーを再計算した結果だそうです。ですから最初の大打撃を受けた地震のエネルギーの大きさなどは8.3とか8.8で良いのでしょう。この<a target="_blank" href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%8B%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%89">マグニチュード</a>を調べてみました。日本はこの道の先達でもあったので膨大なデータをグラフ化(最大震度と震央までの距離を書き込んだ地図)した和達清夫博士の論文に着想を得て考案されたもののようです。これにも色んな計算式ができていてMj(日本の気象庁)、Mw(地震学で共通に使われている)マグニチュードが1上がるとエネルギーでは約30倍強増える。2上がると、ざっと1000倍のエネルギーが放出されるという計算になるわけです。阪神淡路大地震の震度が7.0でしたから、今度の東日本大地震はその丁度1000倍のエネルギーが放出されたということでその打撃を今受けているのです。比較にならない広範囲のすさまじい被害が生じるわけです。地球上で発生する最大の地震の大きさはM10.0といわれているそうです。因みに、恐竜が絶滅した隕石落下により発生した地震はM11.0程度であったのではないかと計算されているそうです。そして比較対象としてあげられていたのは広島に投下された原爆のエネルギーがマグニチュード5.5の地震に匹敵するエネルギーを放出するのだそうです。これでも実感は伴わないですね。

2011年3月12日土曜日

東北地方太平洋沖地震

大変な地震が起きたものです。そして東京電力福島原発の異常な状況が刻々報道されていてこれから何が起きるか、まるで第2幕が幕開けしそうな気配です。ここでスリーマイルアイランドやチェルノブイリの再現が起きたらと考えるとゾッとします。その可能性が何十%かあるのではないでしょうか?その昔、といっても40年ほど前に、今はもう原発の廃却処理をどうするのかという研究材料になっている東海村の日本初の原発で安全棒の自動挿入装置の設計をした時のことを思い出しました。何かあったときに燃料棒の間に核分裂を抑制する制御棒を自動的に落下させて核分裂の暴走を防止する装置でした。それはフェイルセイフの考え方を徹底的に使って設計したものの、数年の間は時折、思い出してはあれで大丈夫だったのかな・・・と思い返したものでした。電流を入り切りするスイッチに物理的な接点を持ったスイッチと当時ようやく実用化されてきた半導体スイッチとを併用したのも思い出です。今はもう使われていないということだけでホッとしてしまいます。異常状況を想定したテスト条件の設定などなど、本当に手探り設計でした。今回の状況を報道から推定すると、冷却系の電源やポンプなどに問題が起きているようです。平常時であれば多分何の問題もなく動くものなのでしょうが、異常時にもきちんと動作するものを設計するということは大変なシミュレーションを必要とするものだと思います。設計者側に立って弁護していると取られると心外です。信頼できる設計でできていることを祈りたいです。

2011年3月8日火曜日

ウグイス

すこし暦を遡りますが、今年のウグイスの聞き初めは2月28日でした。去年のブログをひもといて見ましたところ去年は3月6日にウグイスの鳴き声を聞いたとなっていました。今年はこの寒さにも拘らず、2月28日に聞き初め。ということは1週間も早く確認できたということになります。たまたまなのか、本当に早く啼き始めたのか確認しようもないし、どうでも良いことかもしれませんが春が確実にやってきていることは明らかです。今日、暖かい日差しに誘われて、私が春を告げるもう一つの目安としている、アズマイチゲの花を見に行きました。昨日も雪でしたし、まだ早いのかな?と思っていましたがこちらはその思い通りにまだつぼみ状態でした。この状態だと今後の気温の状態にもよるでしょうが、今週末から来週にかけて満開を迎えるような雰囲気でした。ちなみにこれも去年の写真の記録を見てみると3月12日に満開の写真を収めていました。ということは去年と同じタイミングで花は開きそうなのです。自然の力の凄さ、奥深さを思い知らされますね。

2011年3月7日月曜日

あの「もしドラ」がNHKのアニメ番組に登場!

私の読書履歴はだいたい時代の流れや流行とは全く無関係に選んだり、偶然手にしたりといったものが大半なのですが、昨日テレビを見ていたら、なんとNHKのアニメ番組になるという予告番組をみて驚きました。やっぱり気になりますね。とりあえず録画の予約に入れとかなくてはと思いました。

2011年3月4日金曜日

村上春樹:「1Q84」book3

この不思議な物語はついにハッピーエンドで終わった。最初の「1Q84」を読んでもう2年位が過ぎたでしょうか?

イギリスの作家ジョージ・オーウェルの「1984」を連想させるタイトルのついた小説でした。社会を覆う全体主義国家の監視の目の変わりに、村上はオウム真理教を思わせる巨大な新興宗教組織を置き、ビックブラザーに対しここには不思議な「リトル・ピープル」が登場する。2つの月が見えることでこの闇の組織が張り巡らす世界にいることを暗示させて物語が進みます。3巻目はbook3という副題付きでフィナーレに進み、この長編が実は20数年に及ぶ純愛の物語であったことが明らかになりハッピーエンドを迎えたのでした。なかなか楽しめるお話でした。

2011年3月3日木曜日

藤沢周平:「暗殺の年輪」(文庫)

「漆の実の実る国」と同時に読み進めました。文庫本ですので電車などで外出する時に持参して読み進めました。表題「暗殺の年輪」は1972年直木賞受賞作。このほかに「黒い縄」、「ただ一撃」、「暝い海」、「囮」が一緒に集録されていました。どれも凄い、と感じました。特に感心したのは葛飾北斎の最晩年を描いた「暝い海」はぞくぞくするような北斎の老いて、かっての輝きを今一度と夢見るが、如何せんインスピレーションから程遠くなっている自分に気付かされていく心理描写は読ませるものでした。実はこの話は数ページ読んだところで(これは前に読んだぞ)と気付いたのですが、ほとんど初めてと同じようにぐいぐい読ませるものでした。「暗殺の年輪」も良かった。しばらく藤沢周平が続きそうです。

2011年3月2日水曜日

藤沢周平:「漆の実のみのる国」上・下

この小説を読み終わってから、これが藤沢周平の絶筆と知って大変驚きました。それまでの藤沢流のこなれた語り口は影を潜め、淡々とそして文献を挙げながら忠実に辿った上杉鷹山の生涯を描いた歴史小説です。文章が硬いと感じ、これは大成する前の小説家と勘違いしたほどでした。1997年出版。

2011年3月1日火曜日

インテル:新インタフェース「thunderbolt」を発表

2月24日にインテルが新しい高速のインタフェースを発表した。USB3.0の搭載したパソコンもあまり多く見当たらないこの時点でその転送スピードが10Gbps(USB3.0で5Gbps)という<a target="_blank" href="http://eetimes.jp/news/4626">thunderbolt</a>で現在主流のUSB2.0の480Mbpsとの比較では20倍強の高速化が実現できる。しかも仕様が全く公開されていない中で、アップルが先日発表した発表した新型のパソコンi MAC Book proにはこの高速インターフェースが実装されているというから驚きます。尤も、まだこのインターフェースを持った周辺機器は1つもありませんけどね。アップルからの依頼でこの規格ができあがったのかもしれません。この仕様が詩情に受け入れられるのでしょうか?興味津々ですね。

吉田修一:「永遠(とは)と横道世之介」

 横道世之介シリーズの完結編であることはタイトルから想像がつく。これは新聞の連載で読んだものである。と言っても細切れで読んだわけではない。というのは私は新聞のデジタル版の購読者なので、こういう連載小説はHPのアーカイブスのようなところに全部保管されているのでまとめ読みが可能なので...